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まったく機能、効能、能力が同じで、しかし値段が違う商品が並んでいた。すると必ず安いほうが選ばれると言えるだろうか。経験から想像できるとおり、かならずしもそうはいかない。なぜか?「ほんとかな?」「なんか問題あるんじゃないの?」と疑問を持つ瞬間が生まれるからだ。 半額程度の24時間風呂を取り付けてみたら、実はフィルターの交換に毎月数万円必要といったケースだ。 お客にそんな心配をさせないで安心して後発メーカーの製品を選んでもらうための広告、それが互換性を正面に打ち出した「コンパチ比較」だ。 もちろん、ライバル商品と「交換可能」だけではだれも選ばない。まずライバル商品は有名品であること。そして決め手は「なのに安いんだ」なのである。 |
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広告の実際
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咳止めシロップ
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スワンDM 「ロビットシンDMと 比較してみましょう」 |
有名なロビットシンDM |
写真左側は「スワン」の咳止めシロップ。その箱の中央に「DM」。その右側には「ロビットシンDMと比較してみましょう」とある。 新聞やテレビの広告ではない。自社の製品の容器の中央にはっきりと比較するライバル商品の名称を印刷してしまうのだからすごい。 では「スワン」はロビットシンの何と比較するのだろう。特に成分との比較表もないし、その上に普通の消費者では薬品の成分を比較されても分からない。そんな比較では消費者が困るのでは?という心配はいらない。消費者はすぐに分かるのだ。あの有名なロビットシンと成分は同じなのに、値段が違うということが。成分はまったく同じ。なのにスーパーで買ってみたら有名なロビットシンDMは3.19ドル、互換性のあるスワンDMのほうは半分以下の1.59ドルなのである。 このように「比較してみよう」と互換性を訴え、それなら安い方がいいやと気づかせる比較広告、これが「コンパチ比較」である。
鎮痛剤
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有名なエクセドリン |
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ゲナシード 「エクセドリンの有効成分と比べて下さい」 |
写真下はゴールドライン社の「ゲナシート」、中央の「痛み止めに有効」の下段には白抜きではっきり書いてある。「エクセドリンの有効成分と比較してみましょう」と。 この比較を見て「エクセドリンてなに?」と考える人はいない。有名な鎮痛剤だからだ。ここでは「有効成分と比較してみよう」となっているが、実際に鎮痛剤の成分を比較してどっちが効き目が早いか判断できる消費者がいるわけがない。それが分かっていながら堂々と比較を勧めているのは、あの有名なエクセドリンと互換性があることを宣誓しているのである。 そして比較されたエクセドリンの方は7.62ドル、ゲナシートの方は約半額の3.78ドルなのだ。これもコンパチ比較の典型である。
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