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「のどごし」とか、「キレ」といった嗜好は数値化できない。こんな商品は人によって評価が違う。燃費10キロとか解像度20%といった比較はできない。機能ではなく味が勝負の商品、これをあえて数値化して比較してしまう手法。これがアンケート比較である。
アンケートを借りて、第三者の推薦の声として数値化することができる。そのために、広告主が自分で主張する訴えや、あるいは理解が難しい成分の比較と違って説得力は大きい。 |
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広告の実際
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「おいし差、決着 71.1%:28.9%」
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「日本経済新聞」 昭和59年5月11日 |
モランボンのタレと比較したのはE食品工業のタレ。このE食品、広告の中ではエバラ食品工業とはっきりと指名してある。しかし比較のしようがないタレのおいしさを、どんなアンケートで比較したのだろう?
「味覚調査」と「官能調査」だ。「官能調査」の方はタレを付けた焼き肉の味の比較でこれが204名。「官能調査」では見た目、色、香り、口当たりでこれが延べ88名。それだけの参加者が食べ比べたアンケートがこの数値である。
この差には、「官能検査の権威、吉田博士も驚いた」とあるが、およそ数値化しにくい要素を数値化できるのがこのアンケート比較である。
シャンプーのアンケート比較
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「フィラデルフィア・インクワイヤ」 1980年8月27日 |
「全米の900人の女性に等級付けをお願いしました。その結果、お肌にはプレールよりもボディオントップが、コンディショニングにはフッレックスよりもボディオントップが、健やかな髪にはサッスーンよりもボディオントップが、高い評価をいただきました。」
シャンプーならそこに含まれる栄養素や化学成分を前面に押し出した広告もできるはず。しかしそんな数値と使った感覚はまったく別のもの。例えば香りなんか表現できない。
ところがアンケート比較ならどうだ。全米の900人のお客、すなわち第三者が客観的に評価し、推薦してくれるのだ。消費者にとってこれは安心な比較といえるだろう。
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