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データも根拠も何も使わずに、ライバル商品、ライバルのサービスと比較してしまう比較広告。実用的な情報を何も示していないのに、しかも消費者に納得させてしまい、交換を持たせてしまう。そしてあっちよりこっちを買ってみようかな、使ってみようかな、と思わせてしまう不思議な広告。 |
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広告の実際
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「ヘイ!ハマー」
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「日本経済新聞」 平成3年6月10日 |
平成3年3月頃であるが、「ヘイ!ハマー」というセリフを覚えているだろうか。ラップミュージックの王ともいわれたM.C.ハマ−のコンサート風景である。
ハマーが差し入れをされたコカコーラ(初期の画面では容器がはっきりと映る。)を口にする。とたんに軽快なテンポがメローな演歌調に変わり聴衆はボーゼン。そこへ様子がおかしいと気づいた少年がペプシを渡して「ヘイ!ハマー」。たちまち調子の戻ったハマーが歌いまくるというストーリー。
出しているのは両者の商標だけ。商標で比べているのだから比較広告のはず。しかしペプシのデータもコカコーラのデータも一切ない。それでいてなんかペプシに好意を抱かせてしまう比較広告だ。
オリンピックのスポンサー
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「ニューズウィーク」 1991年5月13日 |
見開きの左頁にはアメックスのトラベラーズチェック。
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1. 世界中どこでも使えます。 2. すぐに換金できます。 |
右にはビザカードのトラベラーズチェック。
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1. 世界中どこでも使えます。 2. すぐに換金できます。 3. アメリカのオリンピックチームのスポンサー。 |
両者のサービスはまったく同じ。では違いは?ここでいきなりサービスと無関係に「オリンピックチームのスポンサー」と宣言。会員はべつに何も得をするわけではない。
比較されたアメックスにしてもサービスの違いならともかく、これでは反論のしようがない。それなのに「アメックスよりビザね。」と納得させてしまう広告、これが「感性比較」である。
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